「安心感」こそすべて!親から最後にあげるもの

今日、娘は中学入試の会場準備を学校で行っています。机の移動や受験番号を貼る作業・・・去年はまさに受験生だった、中1生が中心にやるのです。

いよいよ2月。本番がはじまりますね!よく言われることかもしれませんが、まずは今日ここまで来れたこと・・・それが本当にすごいです。

これ本当に、当たり前にできることじゃないですよね?・・・なんてエラそうに言うわたしも、去年の今日1/31、そのことに気づいていませんでした。「ダメだったらどうしよう」・・・そんな「結果」のことばかり考えてしまい、これまで子どもが費やした努力や過程のことなんて、すっかり忘れ去っていました。でも、家庭教師の先生が最後に来た日、緊張で落ち着かないわたしに言ったんです。

「明日から普通に入試を受けられることが、どれほどすごいことだと思いますか?他の子は遊んでいるのにこんな厳しい道、子どもは正直大変ですよ。特に○○ちゃんはキツかったと思いますよ。こんな短期間で。途中でやめなかったこともそうですが、いろいろあっても、今ここで心身のコンディションが整っていて、普通に明日の入試準備してるってすごいことだと思いませんか?おかあさん、結果も大事ですが、まずは本人がこれまで乗り越えてきた過程を、大きく称えて送り出してあげて下さいね」・・・(´;ω;`)。

たしかにわたし、それ忘れてた!結果ばかり考えてた~~!!

それを聞いた瞬間、心のおもりがスコンっと取れたような気がしたのです。「もう、なんでもいいや!」って(^^;)たしかに、ほんとにその通り。子どもは今日までどれだけの努力をしたのだろう??勉強だけじゃなく、遊びだってだいぶガマンしました。大好きな「あつもり」もストップしたし、ハロウィンの格好をして楽しそうに歩く友達グループを塾に行く途中にみかけ、「いいな~」と眺めていたっけ(+_+)ほかにもたくさんのことをがまんして、想像を超える勉強量だった・・それなのに、結果ばかり気にしている自分がとても情けなく感じられました。

不思議とそこから急に気分が晴れてしまい、明日から始まる入試、「恐怖」から全力で「楽しみたい!」と思えるようになったのです。結果はもちろん気になるけれど、朝の早起きから入試会場の雰囲気まで、緊張もぜんぶ含めて「楽しもう!」と・・・

不思議なもので、親の「雰囲気」というのは話さなくても子どもには伝わるんですね。わたしのテンションが明るく変わったら、なぜか娘もリラックスした様子に。それで、前日だというのにまだ名残惜しくやっていた勉強をやめ、日課の「計算問題」をやって終了。夜は弟と笑いながらテレビを見て普通に過ごし、21時には寝るようにしました!

本番入試の日は快晴。あの先生の言葉を聞いてから、わたしの緊張は朝から「いい緊張」に変化。早朝せっせと、必勝メニューの「カレー」を用意しました(^^)今でも思い出すのは、カレーを食べ終えた娘が、「なんか今日調子よさそう。わかんないけど」と笑ったことです。「これ、もしかしたらいけけるかも??」・・・根拠はありませんが、なんとなくそんなふうに思いました。

きっと試験前日、わたしが緊張で暗いテンションだったらどうだったかな??「アレやった??」「これ大丈夫なの??」「もうちょっとやったほうがいいんじゃない??」・・・焦りからいろいろプレッシャーをかけていたかもしれません。まだ12歳の子どもはきっとそんな親の焦りを敏感に感じ取り、リラックスして当日を迎えられなかっただろう・・・今朝のリラックスした笑顔を見たら、本番を控えた子どもにとって、親の言葉や態度から伝わる「安心感」というのは、どれほど大事なことなのか・・・そう実感せざるを得ませんでした。努力したのは子ども。緊張、していないわけありません!

そして、先生が言っていたアレ。「今までの経過や努力を称えて送り出す」。これは直前で声をかけようと決めました。「ありがとう」って伝えなきゃ!!

まだ暗い早朝に家を出発。電車に乗ってふと携帯電話を見たら、国語の家庭教師おじいさん先生からメッセージが。

「今日は快晴!何よりの入試日和です。神様に見守られてます。全力出し切ってきてください」・・・こんな早朝からありがとよ~~(+_+)

いよいよ入試会場の学校に到着。娘とわたしは手をつないでいましたが、その手が冷え切って冷たいこと・・・ちゃんと鉛筆もてるかな??そして、もしかして若干震えてる(@_@。??

たくさんの受験生と保護者さんたちがいます。わたしたち親子も、いよいよ子どもと別れる場所に到着しました。「ここからは子どもひとりで行ってください。親は入れません」という境界線があり、ここで別れたら次に会うのは試験終了後・・・

あ、もう言わないと。「あのさ、ほんとに今日までよくがんばったよ。それだけでもうすごいことだから、あとはいろいろ考えないで思いきりやっておいで。何があってもうちは何も変わらないからさ。今日まで一緒にがんばってくれて本当にありがとう」。

「もう行っていいよ」とわたしが言うと、「まだムリ、もう少しここにいる」と緊張した面持ちの娘。先生方が「準備できたお子さんは進んで下さ~~い」と焦らすものの(今の担任)、「心の準備ができてからで大丈夫だよ」と声を掛けました。

それから5分くらい経ち、ついに「よし行く!」と決意。境界線まで一緒に歩き、家を出てからずっと握っていた手を、いよいよ離す時がきました。ここからはひとり。塾に行く姿と変わらない、リュックを背負って歩いていく後ろ姿を見送りながら、自然と涙が出ました。ハンカチもって号泣(笑)

見えなくなるまでの間、ふといろんなことが思い出されました。サピックスの入塾テストで算数が1問も解けず、トイレで泣きながら「帰りたい(T_T)」と電話してきたこともあったっけ。ストレスで髪を抜いてしまったこともあったな~~・・・なんて辛かったことばかり。そしたらやはり、それを乗り越え今日この日、今ひとりで教室に向かっていることが「奇跡」のように思われて仕方なかったんです。後ろ姿、比べられないほど大きくなりました!

会場ではやはり、泣いている方もけっこういましたね(^^;)受験生とはいえ、まだ11歳12歳の子どもがひとりで立ち向かうのですから、涙が出るのも当然です。

それから待機場所の講堂でひとり、「次にここに座る時は入学式でありますように」と心の中で唱えて過ごしました。そしたらあっという間に終了のチャイムが鳴り、先生に連れられて子ども達が戻ってきたのですが、その中に、上手くいった時に出てしまう、あの笑顔の娘を発見したんです。

50メートルくらい離れていましたが、その表情を見て「やったな」と思いました。それで、「どうだった?できた?」なんて、こちらからはひとことも聞きませんでした。ただただ「おつかれさま。がんばったね」という、普通の言葉しか出ませんでした!

・・・以上、こんな感じの本番直前です。

受験生それぞれに、ひとりひとりの受験ドラマがあったと思います。キレイごとじゃない中学受験は、ツラいことのほうが多かったのではないでしょうか??低学年から通塾していれば、わたしよりさらに、見送る時には深い思いがこみ上げることでしょう。やはりここまで来れたことが、本当にすごいですよね!

せっかくですからこの時を思いきり楽しんできてほしいです(^^♪入試の日の出来事は、まるできのうのように語れる一生忘れられない日。今まではツラくても、この日だけでは後で思い出した時に「いい思い出」として記憶に残してあげたい。「終わり方」・・・大事です(^^)/

明日2/1の天気予報は晴れ。気温は14℃近くも上がり、3月の気温だそうですね♪しかも「大安」という入試のスタート日としては、国語のおじいさん先生が言っていたように「神様に恵まれている」としか思えません(^^)/

ここまで来たら笑ったもん勝ちです。どうかリラックスして笑顔で送り出してあげてください。「安心感」こそ、親から子どもに最後にあげられるプレゼントだと、わたしは思っています(^o^)

明日から、お子さまが全力のすべてを尽くせるよう心から祈って応援しています!ファイト!!